今週末は山口に「Dividual Plays」という公演を観に行ってきました。
とても新しい試みで、ダンサーと機械(テクノロジー)との相互の関係性で空間が作られていく。
ものすごい複雑な仕組みになっており(僕も全てを理解できていないのでw)、簡単に説明すると、
ダンサーはモーションキャプチャーというセンサーを付けていて、そのダンサーの動きのデータを受けて、通称「箱庭」と言われる装置が様々な変化をしていきます。(電磁石で動く振り子など)その変化が音や光、または映像としてダンサーに舞台でフィードバックされ、さらにそれを受けたダンサーの動きが「箱庭」に伝えられるという循環になります。
だから公演はその場の即興で成り立っていきます。
この公演をプロデュースしたダンサーの安藤洋子さん曰く「ダンスする主体は、個人のダンサーでありながら、同時に個人を超えてステージ上にいる他のダンサーやモノといった、環境の一部であり得る」
公演後にはトークショーがあり、その中にも様々な印象的な言葉がありました。
「情報をイマジネーションにする」
「止まることも大事。身体を止めた時にそれでも動きつづけるものを感じるか」
「やっている時はダメ。なっていなければ。」
最後の言葉を少し説明すると、例えばダンサーにフィードバックされた映像が「ストーム(嵐)」だった場合、それを受けてダンサーがストームの動きをしてはいけない、この場合(Doing)。
そうではなくて、その映像から自分の周りに環境を作り出して、ストームそのものになる。(Being)である必要がある。
この言葉を聞いて、「自分のスペースを作ることだなあ」って思ったんです。
ロルフィングでも、セッションでまずやることは、クライアントさんと自分のスペースを作ること。スペースっていうと分かりにくいかもしれませんが、いわゆる空気。
自分の心地いい空気ってありますよね?
旅行から帰ってきた後の久しぶりの我が家や、
古い友人との久しぶりの食事、
ただ単に一人でのんびりっていうのもあるかもしれません。
それはその環境という物質的なこともあるかもしれませんが、それよりもそこにあるスペース/空気が心地いいんだと思います。
スポーツの世界(特に野球や武道などの相手がいるもの)では、自分の空気に持ち込める人は強いですよね。
それはもちろん実力があるからですが、自分の心地良い/やりやすいスペースを作っているということでもあると思います。
以前カポエイラというブラジルの格闘技とダンスの間に位置するスポーツを見る機会がありました。
基本的には一対一の掛け合いなので、相手とどういう空気を作るかがとても重要になります。
上手い人を見ていると、相手との掛け合いを始める前から違います。
相手のスペースに飛び込んでいくのではなく、自分のスペースをまず創り心地よい状態で始める。そこからの掛け合い。
ダンスでもカポエイラでも情報を発しながら受け止めている。これは分けられるものではなく、同時に行われてることなんだと思います。
これがいいバランスになった時に、「する(Doing)」から「なる (Being)」になるんだと思います。
言い方を変えると、相手と自分の境界がなくなり一体化する。
二つの別々のスペースだったものが、一つになる。
長旅を終えて最近感じることは、「場所を求めていたんじゃなくて、そこにある空気を求めていたんだなぁ」ということ。
だから、今はそんな遠くに行かなくても、自分の求めているスペース/空気を感じられます。
その一つが、誰といるか。
「この人といると元気でるな〜」や
「この人と話すと刺激受けるな〜」
そして、もう一つは自分の身体。
これは一番大事なスペース。
一生取り替えがきかないものだからこそ、
あなたのスペース大事にしてくださいね。