目のちから(野生動物が教えてくれたこと)

目を見れば人が分かるといいます。
目力がある人、目が輝いている、目が死んでいるなど。

目は「その人」を物語ると思います。

世界一周をしている時に、人生で初めて「目で動きを止められる経験」をしました。
アフリカのジンバブエを旅していた時に、地元で有名なパオパブの木を見るために歩いていました。目的地までは、ひらけた場所で人気もあまりない道。観光ガイドにも載っているので、安心して徒歩でパオパブの木を目指す。

Big Tree
すると、脇道からカサカサと音がする。そちらの方向を覗くと子供の象が数匹いる。
こちらも警戒しながら、覗き込むように観察していると、目が合う。子象たちはこちらに気づいて逃げていく。車で廻りながら野生動物を見る経験はあったが、歩きながらとなると、また違う経験でした。

Elephant
パオパブの木は観光地になっているので、周りには物売りの人もちらほら。僕が行った時には、小学生くらいの子供たちが沢山いた。おそらく課外授業かなにかだろう。
彼らにとっては、野生動物との暮らしが普通。近すぎず遠すぎず、動物の生活を尊重しながらの距離感を知っている。

近くにはカバが生存している水辺もあると聞き、そこまで行ってみるが、昼間は暑いらしく水面に姿を現さず、断念。。

帰ろうとして水辺の入り口を振り返ると、先ほどの子象たちよりもかなり大きい象が歩いていた。警戒しながら、象の後ろを距離を取りながら追いかけていく。象は道から外れ、パオパブの木の周りで休んでいる。僕もそれに合わせて、歩みを止める。

興味が警戒心を勝り、近づき過ぎてしまった。

1401599_602252289835305_1087090744_o
象はこちらに気が付き、子象とは違い逃げることはせず、こちらに向かって少しずつ近づいてくる。

「野生動物の目の力」を感じたのは、この時でした。

象との距離は、恐らく3、4メートル。

逃げることもできず、ただただ息を潜めてじっとしている。

目で動きを止められる。

言葉でもなく、行動でもなく、目が合う、それだけのコミュニケーションで伝わるものがあるんだなとその時に強く感じました。


残念なことに、先日飼い猫が死んでしまった。そして、息を引き取った後の彼女の目を見た時に感じたこと。目にはちからが全くなく、まさに魂が抜けた姿でした。

ロルフィングを受けている方でも、セッション後に身体の変化だけではなく、印象や雰囲気が変わる方が多くいます。それは、恐らく元気になったカラダの内側から溢れ出るものがあるからだと思います。そして、目の輝き、目のチカラ、セッション前とは違うメッセージをこちらも感じます。

私たちが周りに発しているメッセージは思っているより大きいのかもしれません。
それは言葉や行動だけではなく、「目が合う」それだけでも沢山のものを発し、そして受け入れているんだと思います。

目は人を物語る。

あなたの目は、なにを伝えていますか?

コメントを残す